自分自身の「稼働率」を考えてみる

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私たちは、疲れていたり、何か他に心配事があったり、お腹が空いていたりして、なかなか100パーセント稼働することができません。私たちの感じ方や判断は、常にその時の自分の肉体的・精神的な状態に影響されています。

 

こういう状態のことを英語では「emotional vulnerability」と言います。

日本語での訳はまだ決まっていませんが、「精神的な脆弱性」とか「精神的な敏感さ」とか「傷つきやすさ」とかいう言葉に置き換えられることが多いようですね。

何からも影響も干渉も受けず常に無心の状態になることも、常に自分自身を100パーセント稼働することも、私たちには不可能です。誰でも常にある程度の弱さのような、敏感さのようなものを持って、そして、失敗したり傷ついたりすることを恐れてしまう。それは仕方のないことです。

 

大事なことは、何かを決める時や行動する時に「今の自分の「稼働率」はどのくらいか?」「今の自分はどんなことに影響を受けているだろうか?」と、一度考えてみる習慣をつけることです。

 

自分自身のコンディションや稼働率を考えてみるときに覚えておくといいと提案されているのが「HALT」という言葉です。

Hは、hunger空腹のHです。

私たちは、自分の体が、空腹や睡眠不足に代表される体の不調に悩まされている時には、ちょっとしたことに過剰に反応したり、落ち着いて判断をすることが苦手になってしまいます。「今やけにイライラするのは、お腹が空いているからかな?」なんてちょっと考えてみてください。

 

Aは、Anger怒りのAです。

私たちは、すでに自分が怒りなどの感情で感情的になっている時、他の要因に対しても過敏に反応したり、性急な判断をしてしまったりする癖があります。何か別件で悲しいときは、ちょっとしたことで腹が立ったり悪いように考えたりしてしまうことってありませんか?

 

Lは、lonely孤独のLです。

寂しいと感じている時、つまり、自分の周りからのサポートに満足して安心していない時も、私たちは自分の周りの出来事に過剰に反応したりしまう癖があります。自分が周囲から守られていない、助けてもらえない、孤立していると感じている時に、自分の周りで起こった出来事に過敏になるのは、人間が自分を守るための本能ですね。

 

Tはtired疲労のTです。

体が疲れている時はもちろんですが、目の前の出来事に対して疲れてしまっている時も判断力が落ちるといわれています。同じようなことがなんども起こった時に「またか・・・」と感じたり、同じことの繰り返しだと思ってよく考えずにいつもの対応をしてしまうことってありますよね。

 

精神的にも肉体的にもいろんな要因に影響されて、私たちは常に100パーセントの状態で何かを考えて、決めることはできません。しかも、自分自身の「脆さ」や「敏感さ」の影響が大きい時ほど、より敏感になって心身が不安定な状態で性急な判断をしてしまう傾向があります。

疲れたりしている時ほど、「ちょっと待って、今、本当に大丈夫かな・・・?」とちょっと立ち止まって考えてみましょう。

自分で自分の状態が自覚できれば、「ちょっと落ち着いて、もう一回考えよう」なんてこともできるようになります。